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職場環境において不安や悩み、ストレスを抱える人は少なくありません。最悪の場合、そのまま放置しておくと、精神や心を病んでしまうことも……。
管理者が職場のメンタルヘルス対策において、行うべきラインケアとは一体どういったものでしょうか?
仕事にストレスを感じる人は6割超え!
厚生労働省が行った「平成24年労働者健康状況調査」によると、自分の職場環境に不安や悩み、ストレスを抱えている人は、60.4%にも及ぶとの結果が出ました。実に6割以上の人が、職場において何らかの精神的な問題を感じているのです。
職場におけるメンタルヘルスの現状
平成24年に行った厚生労働省の調査によると、メンタルヘルスの不調で会社を1か月以上休んだり退職したりした社員がいるかいないかという問いにおいて、調査に参加した日本の事業所・会社全体の8.1%しかいると答えませんでした。しかし、従業員数の規模別の調査結果になってくると、10~29人は3.2%なのに対し、100~299人では39.2%、500~999人では77.0%というように、規模が大きくなるほどその割合が増えています。
1000人以上になると92.2%、5000人以上で92.3%……ほとんどの会社でメンタルヘルスの不調から、長期休職や退職を余儀なくされている従業員がいることに!
ラインケアの基本は早期発見と相談対応
このような現状に対応するためにも、メンタルヘルスのラインケアは重要です。会社の基本はタテ型のライン社会。業務だけでなく、社員管理もこのラインに則って行うのが、現状の日本の会社には合っているのでしょう。
いつもと違う?早期発見が大事
事態が大きくなる前に、早期に発見して対処することが、メンタルヘルスケアではとても大事なことです。いつも身近にいて、各社員の業務を把握しているライン管理者にこそ、この早期発見の役目を担って欲しいもの。
最近、遅刻が多くないか? 無断欠勤は? 職場での会話が減っていないか、あるいは極端に増えていないか? ミスやトラブルが増えていないか? など、ちょっとした異変に気づくことがラインケアの基本です。
相談対応で現状把握
いつもと違う様子の社員がいたら、まずは相談対応でストレス要因を把握しましょう。原因が職場環境にあるなら、もちろん会社として、その要因を取り除く努力をします。
一般的には、「過度な要求」、「自由度の低い業務」、「周囲からの理解が得られていないこと」などで、職場環境のストレスが増大するといわれています。ラインケアによって、どの部分が部下にとってストレスの要因になっているのか現状を把握することから、メンタルヘルスケアは始まります。
メンタルヘルス不調を未然に防ぐ!ストレスフリーな職場環境の作り方
ストレスフリーで、快適な職場環境を作り出せれば、メンタルヘルスの不調はかなり改善されるでしょう。
「過度な要求」や「周囲からの理解不足」は、業務の負荷を減らしたり、評価方法を変えたりすることでも緩和されます。「自由度の低い業務」なら、例えば本人にもっと権限を与えるなど、業務内容を考え直すことで改善されるかもしれません。
ほかにも純然たる「環境」……室内の温度が高すぎる、騒音が激しい、異臭がするなど、身体的に不快な環境を改善することでも、精神的なストレスから解放される場合もあります。さまざまな視点から職場環境を見直すことが、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐコツです。
ラインケアが社員の「心の健康」を守る
ラインでのケアは、日ごろから業務で接しているからこそ効果を発揮するシステムです。細やかな目配りをすることで、部下の「心の健康」を守ることができます。これまで以上にメンタル面でのケアが求められる時代だからこそ、管理職ならラインケアについて把握し実践することで、社員の心の健康を守りましょう。