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2014年6月に公布、2015年4月に施行された改正労働安全衛生法(安衛法)において、社員のストレスチェックが義務化されました。今や、メンタルヘルスケアは今や企業の常識といえます。
また、義務化という面をのぞいても重要でしょう。なぜなら、社員は業績向上に大きく関わるため、企業の財産ともいえるからです。大切な社員を守るためにも、メンタルヘルスケアについて改めて知っておきましょう。
忙しくなると、社員一人ひとりの責任や業務量が多くなります。
すると、社員によっては多忙によるストレスで精神力のキャパシティを超えてしまうことがあるでしょう。ストレスは、企業が設定した休暇や有給休暇の取得でリフレッシュできます。しかしそれでは間に合わない場合、こころの病気にかかりやすくなるのです。
そうなると、場合によっては長期療養になる社員も出現してきます。
もし、長期療養者を抱えたらどうなるでしょう?
まず労働力が不足し、通常業務が滞ります。また、いつ治るかわからない社員が戻るのを待ってポストを空けたままにすると、生産性や効率の面から企業に大きなダメージが与えられます。しかし、ほかの社員に業務を代行させれば、今度はその社員のストレスが増えてしまいかねません。さらに、代わりの社員を入れることで、「復帰した社員のポストはどうするのか」といった問題も発生してきます。
このようにメンタルヘルスによる社員の長期療養は、結果的に企業の体力を弱らせてしまうことにもなりかねないのです。
社員のメンタルヘルスを管理することで、こうしたリスクを最小限に抑えられます。また、長期療養とはならなくても、発症した社員がいることで、生産性は大きく下がってしまいます。
だからこそ、メンタルヘルスケアが必要なのです。
また、こころの病気は、その芽が小さいうちにケアしたほうがよいとされています。なぜなら、少ない時間と負担で緩和でき、さらに予防をすることも可能だからです。
こころの病気をそのままにすると、遅刻や早退、ミスが増えるなど業務に悪影響を及ぼします。
また、体の健康を害したり、場合によっては自殺に至ったりする場合もあるでしょう。突然そのような状態になる人はまれですが、「絶対にそうならない」とは誰も言い切れません。
一番の原因は、長い間ストレスを積み重ねること。そのため、定期的な診断で社員のメンタル面を把握し、早い段階で対処しておくことが重要なのです。これからの企業にとっては、重要なリスクマネジメントになるともいえるでしょう。
「平成27年 労働安全衛生調査(実態調査)」の「メンタルヘルス対策への取組状況 」によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は 59.7%(平成 25 年調査では60.7%)。 まだ半数強ともいえる数値です。
また、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会による「メンタルヘルスに関する調査 平成27年度メンタルヘルス研究会報告書」を見てみましょう。「過去1年間(平成27年1月1日から平成27年12月31日まで)においてメンタルヘルス不調により、連続1カ月以上の休業をした労働者は何人いるか」という質問では、0 人から2 人で 77%を占めていました。0人から、ということで誰もいなかった可能性も大いにありますが、1人以上いたという可能性もありえます。
また、職場復帰した労働者がいた割合を見てみると、平成27年度は 41%なのに対し、平成26年度は 82%でした。それぞれの企業において何かがあった可能性はありますが、前の年に比べて復帰した割合が半数以下となっている点は気になるところでしょう。
こうして見ると、メンタルヘルスケアが進んでいるのか、疑問な部分も多いといえます。企業にとって財産である社員を守るためにも、メンタルヘルスケアに関する研修や取り組みが今一度必要ではないでしょうか。
メンタルヘルスケアを進める前に、基本を知っておく必要があります。それは、早期発見や相談での対処、義務化されたストレスチェック制度の内容やメンタルヘルスケアに関する研修です。
メンタルヘルスチェックは早期発見が重要
事態が大きくなる前に、早期に発見して対処することが、メンタルヘルスケアでは重要です。できれば、いつも身近にいて、各社員の業務を把握している管理者にこそ、早期発見の役目を担って欲しいところでしょう。
遅刻が多くないか? 無断欠勤はないか? 職場での会話が減っていないか、あるいは極端に増えていないか? ミスやトラブルが増えていないか? など、ちょっとした異変に気づくことが基本です。
相談での対処で現状を把握する
いつもと違う様子の社員がいたら、まずは相談での対処でストレス要因を把握しましょう。原因が職場環境にある場合、企業としてその要因を取り除く努力が必要です。
一般的には、「過度な要求」、「自由度の低い業務」、「周囲からの理解が得られていないこと」などで、職場環境のストレスが増大するといわれています。どの部分が部下にとってストレスの要因になっているのか現状を把握することが重要でしょう。
メンタルヘルスケアに欠かせない「ストレスチェック制度」と研修
ストレスチェック制度は、社員の心理的な状態やストレスのたまり具合を知るためのツールとなります。つまり、「分かりにくい心の状態を明らかになる」のです。見た目や言動には表れていなくても、内面では大きな負担を感じ、それがストレスになっていることは多々あります。
ストレスチェックでは、こうしたストレスの度合いを事前に察知しやすくなるのです。
なお、従業員数50人未満の事業場の場合、助成金を受けることもできます。
また、ストレスチェック制度の実施だけでなく、メンタルヘルスケアに関する研修も重要でしょう。必要性や知識を共有すれば、さらなるケアにつながります。
メンタルヘルスケア研修を実施する前に、どんな内容が必要か、知っておきましょう。
基本的には、メンタルヘルスケアに関する全体の概要と自社独自の対処方法、両面からアプローチできるような項目での構成がよいと考えられています。
1.「メンタルヘルス」に関する基本事項のレクチャーと共有
まずはメンタルヘルスについて知識を学び、それを各々で共有します。
2.「改正労働安全衛生法」の内容確認
法的に義務化されたことをいま一度確認しましょう。制度の仕組みや内容を理解することで、いかに重要であるか、今後どのような対処をすればよいか共有できます。
3.「自社での対処ルール」作成
社内でのルールを作成し、誰でも同じ対処をとれるようにしましょう。また、事例の増加により対処方法が変わることも考えられます。そのため、対処のルールを適時見直すことが必要です。
4.「メンタルヘルスチェック」のスケジュール作成
これは、メンタルヘルスケアを効率的に実施するために必要なものです。企業としてのストレスチェックや対処方法の実施時期について決めていきましょう。また、スケジュールを組み立てることで、ケアを意識しやすくなるという面もあります。
1と2においては、管理職と社員双方の研修が必要でしょう。管理職含めた上層部の理解が深くなることで、全社的なメンタルヘルスケアが整いやすくなります。社員においては、自身のメンタルヘルスチェックや社員同士でのケアが可能になるでしょう。
3と4はできるだけ同時期に行うことが望ましいです。そうすることで、スケジュールと対処の双方を組み立てていけます。
内容が決定してきたら、できるだけ早めに発表し、研修を実施しましょう。管理職間で共有すれば、効率的なラインケアにつなげられますし、社員も知識を持つことができます。つまり、全社的に理解を深め、行動につなげられるのです。しかし、日常業務を行いながらの研修実施は、現場が混乱しやすくなります。時間を確保して、別個にしっかり研修を行うことが望ましいでしょう。
メンタルタフネス研修では、ストレス要因を受け止めて正しく対処していく技術が養えます。ストレス耐性は生来の気質によるところが多い、とはいわれるものの訓練すれば誰でも向上できる、ともされています。また、社員の一人ひとりがストレスに対処する術を身につけることで、こころの病気予防にもなるでしょう。さらに、前向きに業務と向き合えるようにもなりますので、効率や業績アップも見込めます。
メンタルタフネス研修では、ストレスを理解し、ポジティブに変えていくことができる
メンタルタフネス研修で学ぶ内容は下記の通りです。
1.自分にとってのストレスとは何かを理解する
メンタルタフネスを養うためには、「自分にとってのストレスとはなにか」を理解することが必要です。ストレスの原因について考え、なぜそれがストレスなのか考えます。
例えば、「上司に話しかけられることがストレス」である場合、なぜそれをストレスに感じるのかについて考えるのです。上司の話し方が糾弾調であったり自分の成績が目標に達していなかったりするからかもしれません。また、作業を中断されるのが嫌だと感じているから、という可能性もあるでしょう。ストレスを感じる場面をいくつか思い出し、それがストレスになっている原因について分析するのです。
2. ポジティブに考えることを意識する
ストレスの原因が分かってきたら、次は、前向きなとらえ方や解決に向けてポジティブに動いていく方法について考えます。例えば、売り上げがふるわないために上司から話しかけられるのが嫌だ、という場合、一歩踏み込んで、なぜふるわないのか考えるのです。
この場合、上司との話し合いは売り上げを伸ばすための相談をする機会と捉えれば、ポジティブに受け止められるでしょう。上司に糾弾されるかもしれない、と委縮するのではなく、「この部分が原因で売り上げが伸びないので業務のやり方を変えてみたい」といった提案をするなど、根本を変えるための場と捉えるのです。
3.自己否定は行わない、自己肯定を積極的に行う
自己否定ではなく自己肯定を積極的に行います。「目標は達成していないが先月よりも向上した」という場合は、目標に届いていないということより、努力によって売り上げが向上した面に目を向けるとよいでしょう。また、売り上げは横ばいでも新しい顧客を得られたのであれば、販路がひとつ広がったと考えられます。
このような例を出して意識的にプラス面を探していくと、気持ちの落ち込みが抑えられます。また、前向きに考えることが可能になるでしょう。また、このような考え方をする癖をつけることで、上司に話しかけられたときもポジティブな受け答えができるようになります。すると、ストレスの要因を減らすことが可能になるでしょう。
このように、ストレスを理解し、ポジティブに考え、肯定をしていくといった工程を重ねることで、思考のベースが前向きになります。この点から、人材育成にも有効といえるでしょう。
メンタルタフネス研修はチームで受けた方がよい
メンタルタフネス研修は、チームの1人だけが受けても高い効果は得られにくいです。もし、チーム内にメンタルタフネスが身についていない人がいる場合、影響を受けてマイナス思考のループに入ってしまうことも考えられます。
チームメンバーの良好なコミュニケーションによって支え合い、ポジティブな思考を広げていくことが重要ですので、できるだけチームで研修を受けましょう。また、メンタルタフネスを養っていけば、チーム全体の意欲を高める効果も期待できます。
メンタルヘルスケアのためには、ストレスフリーで、快適な環境を作り出すといった、職場環境の見直しも重要です。
「過度な要求」や「周囲からの理解不足」は、業務の負荷を減らしたり、評価方法を変えたりすることで緩和されます。例えば、「自由度の低い業務」によるストレスなら、本人にもっと権限を与えるなど、業務内容を考え直すことで改善されるかもしれません。
ほかにも職場環境(室内の設備など)の改善も有効です。例えば、室内の温度が高すぎる、騒音が激しい、異臭がするなど、身体的に不快な環境を改善することで、精神的なストレスから解放される場合もあります。
人材を人「財」と表す企業もあるほど、社員は企業の大切な財産です。ベースとなる職場の改善をし、メンタルヘルスケアについて深く学ぶ研修を実施すれば、全社的に理解が深まります。そうすることで、社員の誰もが心身ともに健やかに働ける企業になるのではないでしょうか。